パワー・マネジメント(電源管理)技術で世界をリードするインターナショナル・レクティファ
イアー・ジャパン(IRジャパン)株式会社(本社:東京都豊島区、江坂文秀代表取締役社長)は8日、
ACアダプタ向けの力率改善(PFC)(*1)回路用μPFC(TM) コントロールIC「IR1150」シリーズのサン
プル出荷を開始しました。
IR1150シリーズの特徴は、IR社が新たに開発した「ワン・サイクル・コントロール(OCC)」技術
を採用したことです。この技術により、外付け部品が少なく、しかも小型の8ピン・プラスチック・
パッケージ(SO-8)に収めたので、PFCコントロール回路の実装面積が従来の半分で済みます。AC
アダプタだけでなく、電力が75W〜4kWのコンピュータ、民生用電子機器、白物家電製品への実装も
容易です。
一般に、電力250W以上の用途では電流連続モード(CCM)のPFC回路、250W以下では電流不連続モード
(DCM)のPFC回路が使われています。
CCMのPFC回路は、サーバーのスイッチング電源、通信機器、大画面のプラズマ・テレビや液晶テレビ
などに使われています。大電力を扱えますが、回路が複雑で部品点数が多いという欠点がありました。
一方、DCMのPFC回路は、ノート・パソコン、中小型の液晶モニタ、プリンタなどに使われています。
回路構成がシンプルで安価です。ただ、大きなピーク電流を発生させるため、電力が100W以上になると、
大型のEMI(電磁妨害)フィルタや大電流を扱えるMOSFET(スイッチに使う)が必要になり、コスト上昇
の原因になっていました。
家庭用/商業用/産業用電子機器のデジタル化が進むことによって、ACアダプタ(AC-DCコンバータ)
を搭載したスイッチング電源回路の高性能化、大電力密度化への要求が、これまで以上に強くなって
きています。IR1150シリーズは、こういった要求に対応するために開発された製品です。
新開発のワン・サイクル・コントロール技術(特許取得済み)は、これまでのPFC回路の考え方を大き
く変えたものです。この技術を使うと、電流連続モード(CCM) PFC回路と同様に大電力を扱え、回路構
成は電流不連続モード(DCM)と同じくシンプルにできます。IR1150シリーズは、電力範囲75W〜4kWで使
ったときに、最適なソリューションを提供します。なお、一般に75W以下ではPFC回路を使っていません。
<技術的な特徴>
IR1150シリーズに採用したワン・サイクル・コントロール技術は、リセット機能付き積分器をコント
ロール部に使った電流連続モード(CCM)のPFC方式です。
従来のCCMのPFC回路で使っていたアナログ乗算器や入力電圧検出機能などが必要ないため、回路が簡
素化でき、部品点数が削減できます。
ワン・サイクル・コントロール技術では、アナログ乗算器の代わりに、当社独自のリセット機能付き
積分器を採用しています。誤差アンプの出力を各クロックの1周期の間、積分して、可変スロープのラン
プ信号を作ります。この可変ランプ信号を誤差電圧と比較して、電流検出信号から減算し、ゲート駆動
用のPWM(パルス幅変調)信号を発生します。
CCMのPFC回路は、電力250Wを超える大電力用途に対して性能を発揮します。ただし、乗算器を使う従
来の回路では、回路構成が複雑で、多くの設計ステップと多くの部品が必要です。この結果、CCMのPFC
回路は非常に高価なものになり、デジタル・テレビやノート・パソコンのACアダプタのように低電力で
低価格が要求される用途には向きませんでした。
一方、電力範囲が75W〜250W程度の用途では、回路構成が簡素でシステム・コストが安いことから電流
不連続モード(DCM)のPFC回路が採用されています。ただし、電力が100Wを超えるとピーク電流が大きく
なってしまうので、大型で高価なEMI(電磁干渉)フィルタが必要になり、コスト高になってしまいます。
両方の長所を生かしたものがIR1150シリーズです。すなわち、CCMで動作させることで大電力を扱え、
しかも安価な部品を使えるようにしました。
電力1kWのサーバーのスイッチング電源を例にとると、IR1150シリーズの方が、乗算器を採用した従来
のCCMシステムに比べて、抵抗とコンデンサの数が4割も少なくて済みます。実装面積は半分になります。
ノート・パソコンや液晶テレビのACアダプタのように、高い電力密度が要求される低電力の用途では、
IR1150シリーズをCCM動作させるとピーク電流が小さくなるので、EMIフィルタのコストを43%削減できま
す。これは、120Wのシステムでみると、プリント基板の面積を16%削減し、電力密度を10%の増加したこ
とに相当します。
さらに、専用の過電圧保護(OVP)ピンを用意して大電力システムの保護を大幅に強化しました。ドイ
ツの環境保全基準「ブルー・エンジェル」や米国の省電力基準「エナジー・スター」で要求されるイネー
ブル・パワー・スタートアップ、マイクロパワー・スタートアップ、スリープ・モードなどの機能も内
蔵しています。
IR1150シリーズは、電源の高調波抑制ガイドラインである欧州のIEC 1000-3-2、日本のJIC C 61000-3-2、
75W以上の機器に対する中国強制認証制度(CCC)などのPFC法規制に対する魅力的なソリューションにな
っています。従って、IR1150シリーズを採用すれば、1つの設計を世界中に展開できます。
IR1150シリーズの電源電圧範囲は13V〜22V(標準18V)、スイッチ用MOSFETを駆動するための出力ピー
ク電流は1.5A以上、スイッチング周波数範囲は50kHz〜200kHzです。サンプル価格は、民生用(周囲温度
範囲0℃〜70℃)の「IR1150S」およびその鉛フリー品「IR1150SPbF」が280円(税込み)、産業用(周囲
温度範囲−25℃〜85℃)の「IR1150IS」 およびその鉛フリー品「IR1150ISPbF」が370円(税込み)です。
データタシートと画像データはIRジャパンのホームページ(www.irf-japan.com)から入手できます。
<用語説明>
(*1)PFC(power factor correction):
力率改善。力率は、供給された電力のうち有効に働いた電力の比率です。電力は電圧と電流の掛け算
で求められますが、交流の場合、電圧と電流の間に位相差(時間的なずれ)があり、これによって有
効な電力が減ります。これを改善する回路がPFC回路です。電力伝送網の効率に影響する「電力品質」
の指標と言えます。力率の理想値はPF = 1です。IR1150シリーズは全高調波歪(THD)が4%で
PF = 0.999を達成しています。PFC回路は高周波でスイッチングするので、欧州や日本などでは電源の
高調波を抑制するための基準が規定されています。IR1150シリーズは、世界各国の法規制の基準を満
たしています。
<インターナショナル・レクティファイアー(IR(R))社について>
IR社はパワー・マネジメント(電源管理)技術のリーダーです。IR社のアナログIC、アナログ/デジタル
混在IC、最先端デバイス、電源回路やモーター制御回路の部品やシステムは、コンピュータ、インバータ・
モーター搭載の白物家電製品、照明器具、車載用電子機器、宇宙航空用電子機器など幅広い分野において、
機器の小型化、省エネ化、高機能化に貢献しています。本社は米国カリフォルニア州エルセグンド。
IR社のホームページはwww.irf.com。
注:IR(R)、μPFC(TM)、はInternational Rectifier Corporationの商標または登録商標です。
当資料に記載されるその他の製品名の商標はそれぞれの所有者に帰属します。
<本件に関するお問い合わせ先>
インターナショナル・レクティファイアー・ジャパン株式会社
〒170-6051 東京都豊島区東池袋3-1-1、サンシャイン60 51F
マーケティング・コミュニケーションズ
吉沢 寿康、本田 真由美
TEL:03-3983-0837 FAX:03-3983-4856 e-mail:hyoshi1@irf.com
<営業部連絡先>
TEL:03-3983-0086 FAX:03-3983-0642
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